香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

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青空がのぞく診察室から

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2018年08月27日

心臓震盪

第100回全国高等学校野球選手権大会は大阪桐蔭高校の春夏連覇で幕を閉じましたが、今年もいろいろなドラマが見られました。僕たち昭和世代には懐かしい元球児によるレジェンド始球式もありました。チームメートだけでなく、ケガをした相手チームの選手にもすばやくアイシングするようなシーンも何度か見かけられました。僕が高校野球というものを初めて意識したのは、祖父母宅の近くにあった徳島海南高校が春の選抜大会に初出場して全国制覇した時でした。その時のエースは後にプロゴルファーとして大成した尾崎将司さんでした。

ところで、こうしたスポーツにはどうしてもケガや事故が付きものです。その中で最近注目されているものに心臓震盪があります。心臓震盪は胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう疾患で、多くはスポーツ中に健康な子どもや若い人の胸部に比較的弱い衝撃が加わることによって起こります。胸骨や肋骨が折れたり、心臓の筋肉が傷んだりするような強い衝撃ではなく、投げた野球のボールが当たる程度の衝撃で起こります。心臓震盪は衝撃の力によって心臓が止まってしまうのではなく、心臓の動きの中で、あるタイミング(専門的には心電図でT波という部分の頂点の直前)で衝撃が加わった時に、致死的な不整脈が発生してしまうことが原因です。

スポーツの道具では、野球のボール、ソフトのボール、サッカーボール、アイスホッケーのパックなどによるケースが多く報告されています。こうしたボールやパックだけでなく、日常生活や遊び程度のボクシングなどで膝や足、肘や腕が当たって起こることもあります。当たる場所としては心臓の真上あたりが危険な部位です。もちろん、心拍動の中でのごく限られたタイミングで、衝撃の場所も限定的で、かつこの条件で衝撃を受けても必ず起こるわけではなく偶発的なものです。なので、必要以上に神経質になったり、過剰に心配したりすることはありません。ただし、偶然に、そして誰にでも起こりえる可能性はあるのです。予防的に胸部を守るプロテクターやパッドを付けておく方法もあります。

必要なことは、こうした病気、事故の知識を持っておくこと、AED(自動体外式除細動器)の保管場所を知っておくこと、AEDの使い方や基本的な救急蘇生法を知っておくことの3点です。心臓震盪は近くにいた人や目撃した人が少しでも早く胸骨圧迫などの蘇生処置を開始し、早くAEDを作動させることで後遺症を残さずに回復することが望めます。最近ではスマホで近くにあるAEDを検索できるアプリもあります。救急蘇生法やAEDの使い方もYou Tubeなどで見ることもできます。スポーツをされている子どもさんやご家族が心臓震盪を知り、救急蘇生法やAEDの使い方を覚えておき、仲間たちの万が一の事故に備えておいて欲しいと思います。また、将来的にスポーツをされることを考えている子どもさんのご家族にも知っておいていただきたいと思います。

投稿者 staff : 18:40

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