香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック 小児科・アレルギー科・小児循環器内科

プライバシーポリシー

青空がのぞく診察室から

ホーム >> 青空がのぞく診察室から >> 2013年05月 アーカイブ

« 2013年04月 | メイン | 2013年06月 »

2013年05月11日

しんずいのうちゅうい

今年はゴールデンウィークの最中に休日当番が当たっていました。休日当番の時は初めての患者さんがほとんどなので、かかったことのある病気やアレルギー歴など、新たに確認しないといけない点が多いので気を遣います。しかし、休日当番であってもふだんの診察日であっても、変わりなく気に留めておかないといけないものがあると考えています。それが「しんずいのうちゅうい」です。

「しんずいのうちゅうい?」いったい何だろうと思われるでしょうが、漢字変換しても「神髄の宇宙医」ではありません。「しん・ずい・のう・ちゅう・い」、つまり心筋炎の「しん」、髄膜炎の「ずい」、脳炎の「のう」、虫垂炎の「ちゅう」、イレウス(腸閉塞)の「い」という5種類の病気のことです。非常に注意すべき病気であるにもかかわらず、風邪や胃腸炎と紛らわしいようなありふれた症状で始まることもあり、疑わなければ診断しづらい病気でもあります。

今はちょうど嘔吐や下痢、発熱といったウイルス性胃腸炎が流行しています。よく嘔吐下痢症ともいわれますが、吐きやすい病気が流行っていると、なんでもかんでもウイルス性胃腸炎と思いがちです。確かにほとんどの場合はそうなのですが、まれに心筋炎、髄膜炎、脳炎など重症感染症の一症状として嘔吐する場合があります。また、急性虫垂炎といった腹部疾患のこともあるし、何らかの原因によるイレウス、つまり腸閉塞の症状として吐いている可能性も考えておかないといけません。乳幼児などでは腸が腸に入り込む腸重積症や、ヘルニアのかんとんも吐いている場合には忘れてはいけない病気のひとつです。

心筋炎、髄膜炎や脳炎といった重症の感染症も、急性虫垂炎やイレウスなどの腹部の病気も、初期には診断しづらい上に一般的な症状で始まることが多いので、ポイントは疑うことにあります。なので、いつも念頭に「しんずいのうちゅうい」、つまり「心・髄・脳・虫・イ」なのです。比較的早期であっても、これらの病気をけっして見逃さないのが “宇宙医の神髄?”

投稿者 staff : 08:22

2013年05月06日

おまじないとナントカ虫(3)

半年ぐらい前のブログに自分が幼い頃に読んでいた本のことを書きましたが、小中学生時代には推理小説にはまっていました。シャーロック・ホームズやルパンのシリーズ、横溝正史シリーズなど、謎解きが中心の古典的なものをよく読んでいました。

シャーロック・ホームズの物語には、ホームズが依頼人の外見などからいろいろなことをズバズバと言い当てるので、相棒のワトソンが驚くシーンが時々出てきます。衣服や靴の様子、そして部屋に入ってくる時の動作や顔つき・・・そういったものを「見る」のではなく「観察」するのだとホームズは言います。ホームズのモデルとなった人物が医師であったのはよく知られていますが、やはり診断する上で観察は非常に大切なポイントだと思います。

小学生や中学生などで心因的な要素が強いと思われる症状の場合も、診察室に入ってくる様子を観察していると、なんとなく“そうかな?”と感じることがあります。うつむきがちであったり、視線がウロウロと泳いでいたり、目線を合わそうとしなかったり・・・、症状を尋ねても本人はお母さんの顔をみるだけで、お母さんが一方的に話したりする場合もよく見受けられます。

子どもたちが診察室の椅子に腰を掛けた時から診察が始まる印象ですが、実際には診察室に入ってくる時点から診察が始まっています。その段階では、ホームズが言うように「見る」のではなく「観察」することがポイントになってきます。患者さんによっては、待合室での様子が参考になることもあります。

電子カルテが診療の中心になってくると、つい目線をパソコンに向けたままになってしまう危険性があります。小中学生の小児心身症となると『おまじない法』や『ナントカ虫退治法』ではなく、一診療所のレベルを超えた本格的なカウンセリングや家族療法的な関わりが必要になってくる場合もあるのですが、まずは正しい診断をすることがスタートラインです。そのためにも、入室時点からのホームズ的観察を心がけておくことが重要と考えています。

投稿者 staff : 15:39

2013年05月04日

おまじないとナントカ虫(2)

赤ちゃんと親の心と身体が触れ合うことによって、親と子のきずなをいっそう深めていこうというのがタッチケアの考え方です。赤ちゃんと親が見つめ合い、語りかけながら赤ちゃんの素肌にしっかり触れる、なでる、軽く圧をかけながらマッサージする、手足を曲げ伸ばしするなどの手技を行います。これにより、赤ちゃんの情緒が安定し、ストレスホルモンが減少することなどが証明されています。それと同時に親への効果も確認されています。もちろん赤ちゃんだけでなく、少し大きくなってきてからでも同様の効果が期待されます。

今回、お腹が痛くなったのは幼稚園児だったので、お腹をナデナデしながら「お腹が痛くなりませんように、痛くなってもすぐに治りますように」と言いながらお母さんにマッサージしてもらう『おまじない法』をお勧めしました。年齢的に好きな子どもが多い“おまじない”を利用して不安を減らすと同時に、タッチケア的にお母さんやお父さんのスキンシップによって安心感を高めてもらうことが目的です。子どもが初めて出会う集団生活や、クラスや先生が替わってしまった戸惑いを少しでも減らしてくれる可能性があります。“おまじない”がすぐに利くこともあればまったく利かないこともありますが、一度試してみていただきたい方法です。

他にも、心因性と思われる腹痛や頭痛、息がしづらいといった症状を虫のせいにしてしまう方法もあります。お腹の中に“イタイタ虫”がいてそれがお腹を痛くしている・・・、頭の中に“ズキズキ虫”がいるから痛くなっている・・・、のどに“イガイガ虫”(エヘン虫というと昔あったCMになってしまうけれど)がいて苦しくさせている・・・子どもを追い込んでしまわないために、子ども自身ではなく虫といった正体不明の他のモノに原因があることにして、そのナントカ虫をお母さんやお父さん、先生と一緒に身体の外に追い出すようにやってみよう、という『ナントカ虫退治法』です。

身体には明らかな異常がなく、ストレスが強くなって生じたと診断できた幼児の心因性の症状に対して、『おまじない法』や『ナントカ虫退治法』は試してみる価値がある方法だと思います。

投稿者 staff : 08:15

ページトップへ

Copyright © 2009 Akita children's clinic. All rights reserved.