香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

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2011年12月11日

マイコプラズマ流行中

マイコプラズマ感染症が流行しています。マイコプラズマはちょっと風変わりな病原体ですが、肺炎の原因として有名です。本来は細菌の一種なのですが、通常の細菌に比べるとかなり小さく、おまけに細胞の周囲を取り囲む壁(細胞壁)がないという特徴があります。乳幼児が重症になりやすいRSウイルスとは反対に、4〜5歳以上の年長児以上で典型的な症状になります。これはマイコプラズマ肺炎が菌によって肺が直接傷められるのではなく、菌に対する免疫反応によって病気が発生するため、ある程度免疫力が高まってくる年長児以降で症状が強くなるのです。

症状としては発熱やだるさもありますが、咳や咳き込みが長引くのが特徴です。鼻水などの鼻炎症状は、前回のRSウイルスとは反対で一般的にはあまり目立ちません。他の肺炎と比べると胸の音(呼吸の音)があまり悪くならないこともマイコプラズマ肺炎の特徴の一つです。診断には胸のレントゲン写真が参考になりますが、最終的には血液検査などで確認することになります。かかっている人の咳などによる飛沫を吸い込んで感染しますが、潜伏期間は2〜3週間ぐらいと比較的長めです。ある程度濃厚に接しているとうつりやすいので、家族内やクラス内などで集団発生することもあります。

始めに書いたようにマイコプラズマには細胞壁がないので、細胞壁を攻撃して効果を現すペニシリン系などの一般的な抗生薬は効かないということになります。マクロライド系という抗生薬が有効なのですが、最近は従来の抗生薬が効きにくいタイプも増えてきています(耐性マイコプラズマ)。ですから、マイコプラズマ肺炎や気管支炎と診断されて抗生剤を2〜3日飲んだにも関わらず、発熱や咳き込みなどの症状がまったくよくならない場合は耐性マイコプラズマの可能性があります。その場合は耐性マイコプラズマにも有効な抗生薬に変更します。先に書いたようにこの病気は免疫反応によって症状が出るので、抗生薬が有効で熱が下がっても、免疫反応が落ち着くまで咳はしばらく続きます。

マイコプラズマに限らず、最近は抗生薬の効きにくい耐性菌が増えてきています。抗生薬を使わなくてもいい軽症の病気にも抗生薬を処方したり、ダラダラと長く抗生薬を使ったりすることが耐性菌を造り出してしまっています。おまけに地球の温暖化など環境の変化もあるので、これからは病気の様子や流行りやすい時期なども少しずつ確実に変化していくことでしょう。そういう意味で、定期接種以外にも肺炎球菌ワクチンやヒブワクチン、そしてロタウイルスワクチンなど、受けることができる予防接種は受けておくのが望ましいでしょう。水痘(水ぼうそう)やムンプス(おたふくかぜ)も「早くかかった方がよい」と言う方もいらっしゃいますが、実際には合併症もけっこうあるので“予防するのが何より”なのです。

投稿者 staff : 19:23

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