香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

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青空がのぞく診察室から

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2011年10月31日

RSウイルス注意報

RSウイルスが流行しています。このウイルスは例年なら10月や11月ぐらいから流行が始まって3月か4月頃まで続くのですが、今年はかなり早い時期から流行が見られています。RSウイルスという名前はあまり聞き慣れないかもしれませんが、実はありふれた病原体です。カゼの原因ウイルスの一つであり、ほとんどの子どもさんが2歳ぐらいまでに一度はかかる病気です。免疫ができにくいので一生に何度もかかりますが、通常は感染のたびに症状は軽くなっていきます。

RSウイルス感染症は感染した人の咳やくしゃみで生じた飛沫を吸い込んだり、直接接触したりして感染します。潜伏期は4日前後で、発熱や鼻水、咳などで始まります。なかでも鼻水が多いのが最大の特徴で、ノドに流れ込んで咳き込みの原因にもなります。通常は1〜2週間で改善しますが、2歳以下の乳児ではしばしば細気管支炎や肺炎を併発して、入院が必要となることもあります。急性中耳炎の合併もよく見られます。

治療としてはそれぞれ症状に応じて痰が出やすくなる薬を使ったりしますが、特に有効な薬はありません。乳児がこの病気にかかった後の経過観察の仕方も、小児科医それぞれに異なると思います。ただし、気道からの分泌物や鼻水が多いのがこの病気の特徴ですので、吸引などでこれらを取り除くのが一番でしょう。目立つときにはご家庭でも無理のない範囲で鼻水を取ってあげてください。感染の予防は他の病気とほぼ同様で、手洗いと可能な子どもさんならマスク着用が有効です。

RSウイルス感染症といっても軽症から重症までいろいろな場合があり、仮に1歳未満でかかってもみんながみんな重症になるわけでもありません。「RSウイルスが流行っていますので注意してください」と言うのは簡単ですが、ではどういう症状に注意したらいいのでしょうか?2〜3歳ぐらいまでの子ども、特に乳児で、ゼロゼロとした咳、とくに夜間に多い咳、粘くて多い鼻水、母乳やミルクの飲みが悪い、咳き込んで吐く、夜は眠れない・・・などの症状があればRS感染症が要注意です。
『咳ゼロゼロ・鼻水ズルズル・飲まない・寝ない』がチェックポイントでしょう。

投稿者 staff : 08:37

2011年10月19日

続・昭和のにおい

医者になったばかりの約30年前、病院からの緊急連絡があれば自宅の固定電話のベルが鳴っていました。気になる入院患児がいる場合は、自宅や公衆電話から病棟に電話を掛けるのが常でした。しばらくしてから、当時はまだあまり普及していなかったポケットベルを個人購入しました。単なる呼び出し機能だけの初期ポケットベルでしたが、重症新生児や心臓病児を診ていることが多かったので、病棟からいつでも連絡してもらえる点でとても安心だった記憶があります。

平成年代に入ると、ポケットベルを持つ同僚たちがさらに増え始めました。ただ一人、アメリカ帰りの先輩はショルダーホンという肩下げ型の電話を持っていて、よく「Hello!」とやっていました。それから数年後、一般病院に勤務した時には全員にポケットベルが貸与されるようになり、それがそのうちに病院用PHSや携帯電話に世代交代しました。これでいつでもどこでも病棟や外来などと連絡が取り合えるようになり、勤務環境は大きく変わりました。
携帯電話やインターネットは非常に便利で、仕事も日常生活も今やこれらを抜きには語れない時代です。最近では1台のモバイル端末だけで電話もネットもゲームなどもすべて出来るようになってきつつあります。

その裏側で、面と向かって人と付き合うことが苦手な人たちが増えてきています。携帯電話やメールでのやり取りは大好きだけど、顔を付き合わせてのコミュニケーションは何となく苦手という人たちです。
メッセージの伝わり方(メッセージ全体の印象)は、言葉の内容が7%、言葉の調子が38%、伝える時の表情が55%といわれています。「おはよう」とか「ありがとう」といった単純な挨拶でも、文字だけの場合と表情を見ながら聞いた場合とでは印象がまったく違ってきます。メッセージの真意を正しく十分に伝えるには声の調子や表情が大切ですが、携帯電話やメールでは言葉(文字)だけが伝わるので、これに依存してしまえば顔を合わせる対面型のコミュニケーションが苦手になっていく可能性があります。要はこうした便利なツールも使い方次第です。通信手段や娯楽の一部として使うにはとても有用ですが、子どもたちを対面型コミュニケーション障害に陥らせないためにも“ケータイ依存”や“ネット中毒”には十分に注意したいものです。

大切な人に伝えたいことがいっぱいあって公衆電話まで急ぐ・・・、不揃いな字だけど心を込めて手紙を書く・・・そんな懐かしい風景は遠くなりつつあります。“平成的”なデジタルの中にも“昭和のにおい”が漂うアナログも残っているような生活が理想だと思えるこの頃です。

投稿者 staff : 08:31

2011年10月16日

昭和のにおい

最近は外食産業やコンビニなどのおかげで、独身男性などでも食生活にはあまり困らなくなってきました。僕が20代後半から30代初期に高知や善通寺、徳島の半田町などで生活していた頃、食事は他力本願だったのでけっこう苦労しました。

当然よくないことですが、朝はご飯抜き、“昼食は中食”といった感じで仕事の合間に病院の職員食堂で早食いする。そして問題の夕食・・・、自分で作れる食事はたかが知れているのでいつもそれで済ませるわけにも行かず、外食か出来合いのモノを買うことが多くなります。ただ、赴任していた病院の周辺には店もあまりなかったので、どうしても同じような食事内容になってしまいました。偏った外食ばかりであれば“外食は害食”になりかねません。生活習慣病のことを考えると、反省しないといけない食生活だったと思います。

今はちょっと歩けばコンビニが乱立していて、店も選び放題です。ファーストフード店、持ち帰りの弁当やお寿司、自然食の宅配まで、食生活を巡る環境は大きく変化してきました。食べ物やお店を探すことに苦労した昭和の時代から、選ぶことに困るぐらいに便利で豊かな平成の時代に変わってきました。生活する上では非常に暮らしやすいといえますが、その反面、モノの選び方や与え方が大切な時代になったと思います。すぐに手に入る食べ物やオヤツ、いつでもどこでも簡単に食べられる状況、子どもの欲しがる物をつい与えてしまう・・・大人たちが作り上げたこうした環境が、最近の小児生活習慣病を増やしてきています。便利、豊か、すぐに、簡単に・・・という環境は、ガマンができにくい子どもたちを増やしてもいます。

お米や野菜が田んぼや畑で作られていることを知らない子どもがいます。昆虫が野山を飛び回っている姿を実際に見たことがない子どもがいます。どちらも「デパートやマーケットで売っているモノ」と答えている場面をテレビで見たことがあります。食材が作られるまでの過程や苦労、食事として完成するまでの労力を、子どもたちが見たり経験したりすることが減ってきました。“不便”、“面倒”、“困る”、“時間がかかる”といった昭和時代のような感覚を、バーチャルな世界ではなく実体験として子どもたちに味わってもらうことはとても重要だと考えています。
平成生まれのご両親も見かけられるようになった今こそ、“昭和のにおい”を忘れないようにしないといけないと思います。

投稿者 staff : 18:36

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