香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック 小児科・アレルギー科・小児循環器内科

プライバシーポリシー

青空がのぞく診察室から

ホーム >> 青空がのぞく診察室から >> 2010年09月 アーカイブ

« 2010年08月 | メイン | 2010年11月 »

2010年09月11日

処方マシーン

「熱が出たから抗生薬」、「咳が出るから咳止め」、「鼻水が多いから鼻水止め」、「下痢が続くから下痢止め」・・・よく見られる処方のパターン化ですね。この画一的な方針でよい治療ができるならば医者も勉強する必要はないし、これでは医者というよりも単なる“処方マシーン”ですね。

抗生薬の乱用が、最近話題の多剤耐性菌を生み出す土壌になっているのは周知の事実です。もちろん抗生薬をきちんと飲んだり、点滴でしっかり使わないとよくならない病気もあります。しかし、子どもの一般的な病気や発熱では、抗生薬のいらないウイルス性の病気の方がはるかに多いのです。僕たちは症状の経過や診察所見、流行具合などを参考にして、抗生薬の必要な細菌性か不要なウイルス性かを判断します。それがあやふやな場合は、簡単な血液検査などをして細菌性であることを確認してから、抗生薬を処方することもあります。

抗生薬だけでなく、咳止めや鼻水止め、下痢止めも闇雲に使っていいものでもありません。咳や鼻水、下痢も、病原体などを身体の外に出そうとする防御反応の一つでもあります。咳を止めてしまうことで肺の病気が悪化したり、下痢を止めてしまうことでお腹の中で細菌やウイルスが増殖してしまったりする危険性も考えておかないといけません。秋になって増えてきた喘息発作の時にも控えたい薬があります。

医者はパターン化した単なる“処方マシーン”にならないように気をつける必要があるし、患者さんも“薬をたくさんもらって飲んでさえいれば安心”と思い込むのは危険でしょう。時には、“薬を使わない治療”がもっとも望ましい場合もあります。「発達が順調で元気だから、体重が少なくたって心配いらないですよ」、「便は少々緩いけど食欲があるから大丈夫ですよ」、「熱があっても元気で水分が摂れていればあわてなくていいですよ」、そんな言葉掛けが薬以上に大切なことも多いように感じています。

もちろん、薬にはプラス作用とマイナス作用の両面があることを忘れず、使うにふさわしい症状に対して適切に使えば非常に有用な治療手段であることは間違いありません。

投稿者 staff : 20:29

2010年09月09日

ドクタージェット

最近は屋上や敷地内にヘリポートを有する救急病院が増えてきました。ドクターヘリは単に医療機材を搭載して患者さんを搬送するヘリコプターではなく、主な目的は重症の患者さんが発生した場所に医師と看護師をいち早く派遣して初期治療を開始するとともに、少しでも早く設備の整った病院に搬送することにあります。テレビドラマでも、フライトドクター物がシリーズ化されて人気のようです。

僕もヘリコプターと一般航空機でそれぞれ一度ずつ、重症の心疾患時を和歌山と大阪の病院に搬送したことがあります。テレビドラマ同様にヘリコプター内では声のやり取りができないため、クルーや患児のお母さんとはマイクで話しました。高松空港から和歌山までが思った以上に早くて、わずか30分程度で到着したのは驚きでした。

香川小児病院時代には新生児搬送でドクターカーによくお世話になったものですが、それから時を経てドクターヘリが花形となり、さらに先日のニュースでは北海道でドクタージェットの試用が始まり、さっそく運用初日に釧路空港から札幌(丘珠空港)まで新生児を搬送したとのことでした。

小型ジェットの内部には必要な医療機器を設置してあり、両空港間を片道30分で往復し、丘珠空港から病院までは防災ヘリを利用して、搬送依頼があってから新生児が病院に到着するまではわずか3時間だったようです。ドクターヘリがカバーできる範囲はあまり広くなくて半径100キロ程度とのことですが、ドクタージェットなら2、500キロまで可能であり、夜間や悪天候時にも利用できるようです。費用がかさむのが問題とありましたが、住んでいる地域や国によって助けられる命に差があるのはおかしいことなので、ドクターヘリやドクタージェットの普及や充実を望みたいと思います。

将来的には、ドクターシャトルなんかが宇宙空間を行き交う時代が来るのかもわかりませんね。
今日9月9日は「救急の日」です。

投稿者 staff : 16:59

ページトップへ

Copyright © 2009 Akita children's clinic. All rights reserved.