香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

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青空がのぞく診察室から

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2009年06月26日

失敗上手

生まれてしばらくの間、赤ちゃんはお母さんからもらった免疫力で病気と闘います。けれど、ウイルスや細菌などと少しずつ接していくことで、自分自身の免疫力も次第に高まっていきます。保育園や幼稚園に入ってしばらくの間はよく熱を出したりするのですが、そのうちに見違えるように強くなっていくものです。さまざまな刺激で、少しずつ抵抗力が高まっていきます。

趣は少し異なりますが、日常生活で経験する失敗や、つらいこと、悔しい思い・・・そんなマイナス体験も、人生に対する子どもの抵抗力を高めてくれるものです。親としては、子どもにはイヤな思いをさせたくはないのですが、ある程度のマイナス体験は、プラス体験よりも子どもをたくましく鍛えてくれます。

「失敗しちゃダメよ」「転んじゃダメよ」と育てられた子どもより、「失敗しても、ちょっとずつ何とかしていけばいいんだよ」とか「転んでも、また起きればいいからね」と教えられて育った子どもの方が、最終的には強い子どもになるように思います。
失敗することを怖がってチャレンジできずに生きるより、“失敗”してもその失敗を次に生かすことができれば、それは決して“失敗”ではないということを知っている子どもになって欲しいと思います。

そのためには、子どもが失敗したり敗北したりした時に、“じゃあ、それならこれからどうすればいいんだろう”、“次に備えて、今できることは何だろう”ということを子どもなりに考えられるように、僕たち大人が適切に導いてあげることが大切だと思います。
せっかく体験した失敗を次に生かせる人が“失敗上手”な人だと思います。
そして、“失敗上手”な人は、“生き方上手”な人だと僕は思っています。

投稿者 staff : 00:03

2009年06月25日

一言上手

子どもが何か失敗をした時、「だからお前はダメなんだ」とか「お父さんの言ったとおりにしないからそうなったんだ。次からは黙って言うとおりにしろ」とか言われるとどうでしょうか。親としては、また頑張らそうとして言っているつもりでも、言われる子どもとすればそうは受け取れません。
「今回はここまでできていたんだから、もうちょっと頑張ってみたらできるんじゃないかな」とか「君の考えもわかるけど、こんな考え方もあると思うんだけど・・・」といった言われ方なら、子どもも耳を貸そうとするだろうし、もう1回チャレンジする意欲も沸くように思うのです。

おもちゃの貸し借りなどでケンカをしている時でも、一方的に「年上なんだから貸してやりなさい」とか「ケンカは止めなさい」とか言われても、そうそう貸してやったりガマンができるものでもないだろうし、ケンカをするきっかけになった感情の行き場所がありません。
こんな時「大切にしてるおもちゃだから貸したくなかったのかな?」とか「ちょっとつらかったね」といった風に子どもの立場や気持ちにも配慮した言い方ならば、“お父さんやお母さんは僕のことも大事に思ってくれているんだ”と感じることができると思います。

子どものことが気になり、大切に思うからこそ出てくる一言でも、言い方によっては、プラスになったりマイナスになったりするものです。いつもいつも理想的な対応はできませんが、子どもの立場や言い分が入り込む余地のある言い方、子どもなりのプライドや気持ちを損なうことのない言い方ができればと思います。

日常の子育ての中で、そんな“一言上手”な親を目指したいと思ってはいるのですが、気がつけば“余計な一言”が口をついて出てしまうのが現実ですね。

投稿者 staff : 16:20

2009年06月22日

受診上手

「ゆうべ、身体にブツブツが出たんです」とお母さん。
「ちょっと診せてくださいね・・・。今日は出ていないみたいですね」
「そうなんです、今朝は引いているんですけど。何だったんでしょうか?」
エピソードからはじんましんなども考えられますが、ブツブツの様子を見ない限り確実なことは言えません。
受診上手なお母さんは、「先生、今朝は引いてしまっているんですけど、夕べはこんなブツブツが出ていたんです」と、デジカメとかケータイの画面を見せてくれます。プリントアウトしてきてくれるお母さんもいます。その結果、「あ、これなら・・・」と正しい診断につながっていくのです。

「2〜3日前から下痢してるんです」とお母さん。
「どんな色でしたか?」
「ちょっと白っぽいような感じだったけど・・・、とにかくいつもとは違うんです」
受診上手なお母さんは、「オムツを持ってきました」と受付に提出してくれるので、診察の時には横で看護師がオムツを開けて示してくれて、便の様子は一目瞭然です。わざわざ浣腸して確認するまでもありません。

受診の際には、デジカメやケータイに残した画像とか、実際に持参してくれたオムツなどが非常に参考になります。症状の経過が長い場合は、紙に書いてくれた記録がとても参考になります。健診の時なども、聞きたいこと、心配なことなどをまとめて書いておくと、後で「あれも気になっていたのに・・・。これも聞いておきたかったのに・・・」ということがなくなります。

小児科に限らず、病院や診療所を受診する時には、記録やメモを持っていくことが“受診上手”の秘訣だと思います。

投稿者 staff : 21:55

2009年06月02日

立ち往生

昨年の冬から、香川大学小児科の先生が月に1回、土曜日の小児循環器内科外来を見学に来られています。中堅の先生で他県のこども病院でもしっかり研修されているので、僕のクリニックの見学では物足らないんじゃないかと思いながら、少しでも何かを持ち帰ってもらえればと考えています。診察時に自分以外の医師の目があると、僕もさらに一層高みを目指そうとするので、むしろ僕の方が勉強になったりするものです。明らかにこの先生(女性)のファンになったと思われる心臓病の男児もいます。

勉強熱心なこの先生を見ていると、自分が東京で研修していた頃のことを懐かしく思い出したりします。そして脳裏に浮かんでくることといえば、その多くが失敗したり赤面したりしたエピソードなのです。

当時のハードな生活の中でも、一番の緊張は循環器小児科と循環器小児外科が一同に会する合同カンファレンスでした。毎週火曜日の午後に行われ、僕たち循環器小児科の研修医が主に手術を依頼する患者さんの紹介(プレゼンテーション)をするのです。その研修施設そのものがけっこう厳しい所でしたが、当時の外科教授の質問や指摘はとりわけ厳しいものでした。合同カンファレンスでの発表時に、知識不足や準備不足のためにどうにも答えられず、何度となく立ち往生したものでした。それが悔しくて、次こそは・・・と勉強するのですが、予想外の点を突かれてまた立ち往生、そんなことの繰り返しでした。

僕の出身地である徳島は関西圏ですが、徳島県人にとっては東京弁で追求されると一層厳しい言葉に聞こえるものです。けれど、外科回診の時や医局などで偶然お会いした時に「あの子、うまく行ってるようだね」とか言いながら、カンファレンスとは打って変わった軽やかな顔で声を掛けてもらったりすると、立ち往生のつらい記憶が多少和らいだりするのでした。
立ち往生のつらさや惨めさが若い頃の自分を鍛えてくれたことを考えれば、人ってのは失敗や屈辱を通してしか学べないものもあるような気がします。もちろんあまりない方がいいに決まっていますが、マイナス体験も人生にとってマイナスにはならないように思います。

投稿者 staff : 08:31

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